公開: 2022-08-20バックリンク 3
Black Swan
ブラックスワン
タレブはデリバティブ投資家として活動する中で、いわゆる黒鳥理論である「ブラックスワン」に関するインスピレーションを得た。タレブは、こうした出来事は例外的に起こるが、発生すれば莫大な変化を引き起こし、人々は出来事が起きたにもかかわらずそれを事前に予測できたと錯覚すると主張した。
最初にオーストラリアで黒鳥が発見されたとき、人々は白鳥しか知らず、黒鳥がいることを知らなかった。いったん発見されると、生物学界はもちろん全ヨーロッパが衝撃に包まれた。しかし科学的な研究を通じて、なぜ黒鳥が存在するのかが明確にわかるようになった。
つまり、それ以前まで人々は白鳥は白いものしか存在しないのが当然だと考えていたが、実際に黒鳥が発見されると大きなパニックに陥り、黒鳥が発見された後に改めて研究をきちんと行ってみると、科学的に黒鳥は存在せざるを得ないことが明確だったということだ。「事件発生前」であれ「事件発生後」であれ科学的理論は変わっていないため、黒鳥が発見される前でもよく考えれば黒鳥が存在し得ることはすぐにわかったはずだが、事件が起きるまでは「白鳥はすべて白い」という命題に誰も疑いを抱かなかったということである。
翻訳によっては「黒い白鳥理論」と呼ぶこともある。理論の核心は、まったく予想できなかった事件が実際に発生すると大きな余波が生じ、事後にそれを分析する過程で「事故は必然だった」という誇張が起こるという内容である。
人間は基本心理として、不確実だった事件が起きると、事後の原因分析を通じて後付けで確実な前兆があったと信じる。 黒鳥理論はさらに、特定の事件が起きると、人々は事後分析を通じて、必ず起きるしかなかった事件であり、それを予測することもできたというふうに考えるという内容である。